エクソソーム(細胞外小胞)とは?細胞同士の会話を担う物質
エクソソームは、体中のあらゆる細胞が放出するカプセル状の物質で、色々な機能のメッセージが詰め込まれていて、健康や命を守る重要な役割を果たしています。
簡単にいうと、カラダにあるメッセージ物質といった感じです。
POINT:エクソソームは細胞同士の情報伝達ツール。
エクソソームの特徴
エクソソームは突起のついた丸い形状をしており、大きさは10,000分の1ミリ程になります。
臓器や骨などカラダのあらゆる細胞から放出されており、カラダの中には100兆個以上のエクソソームが存在しているといわれています。
カラダの中の情報ネットワーク
これまでの常識だと、脳のだす指令によって臓器は活動していると考えられていましたが、エクソソームの発見により、カラダの情報ネットワークの考え方が一変しました。
例えば、
心臓が弱った状態に陥ったとき → 心臓が弱ったというメッセージ物質を心臓が放出 → それが体内をめぐり腎臓へ到達→ すると腎臓はそれに従って、心臓を助けるため尿をだすなどの活動をおこなって、血圧を下げるなどの反応を起こしてくれます。
こうしたメッセージ物質の多くがエクソソームに包まれて運ばれていることが解明され、カラダの中の情報ネットワークが明るみになりました。
NHKスペシャル「人体」でも、エクソソームが紹介されました。エクソソームの詳細は、NHKチャンネルをご覧ください。
エクソソームは若々しい美肌をつくる鍵
エクソソームは肌の老化との関連性も解明されていて、肌の細胞同士が線維芽細胞と一緒に、エクソソームの情報伝達を行っていることが明らかになりました。
例えば、肌を構成するケラチナサイト細胞(角化細胞)が紫外線を浴びるとエクソソームを分泌し、それをメラノサイト細胞がキャッチして、メラニンという物質を分泌します。
このメラニンが紫外線から肌を守ってくれるようになっています。
エクソソームで保湿効果!?
エクソソームは「細胞同士の会話」を担う物質なので、例えば、お肌の細胞で水分が足りなくなってしまったら、水分が欲しいという伝達物質を他の細胞に伝達することが可能です。
もしこれがカラダの中で起こっていると、カラダの中には60%~75%というたっぷりな水分が存在しているので、この伝達を受け取った細胞は水分が足りない細胞へ水分を送ってあげることができるということで、このことが保湿効果に繋がっていく可能性を秘めているといわれています。
エクソソームの安全性
物質にはアレルギー反応がでるものなど、いわゆる「合わない」というものがあります。でも、基本的にエクソソームにはこの「合わない」がありません。
生まれたての赤ちゃんでも活用できる安全性の高い物質だといわれています。
水分は化粧水で外からいれるることしかできないという常識から、カラダの中から水分を肌細胞に集めて保湿するという新しい常識ができる可能性がでてきましたね!
まとめ
「エクソソーム(細胞外小胞)とは?細胞同士の会話を担う物質」いかがだったでしょうか。
エクソソームに関しては、これから研究が続けられることによって、新たな保湿成分の可能性を切り開いてくれる成分の1つだと期待しています。
乾燥は毛穴開きやシワやなどの大きな原因の1つなので、エクソソームの保湿効果を期待して待ちたいですね。