ヴァセリンの保湿効果がすごいらしいのでリンゴで酸化実験してみました!
ドラッグストアなどでよくみかけるヴァセリン(ワセリン)。
ハンドクリームの陳列棚に置かれているので、なんとなくハンドクリームという印象を持っている方も多いですが、実は肌の保湿や保護に効果的なスキンケアアイテムとえいます。
ヴァセリンは1870年にアメリカで誕生し、防腐剤無添加・無着色・無香料で、全身につかえる保湿オイルとして、世界中で広く親しまれています。
今回は、そんなヴァセリンの知られざる効果から効果的な使い方、リンゴとヴァセリンをつかったプチ実験まで、色んな観点からヴァセリンの解説をしていきたいと思います。
肌の保湿に興味のある方はぜひ読んでみてくださいね。
ヴァセリンの効果
ヴァセリンとえいば「保湿」ですが、ちょっと勘違いされやすいのが、保水効果もあると思ってしまうこと。
あくまでも保湿効果なので、乾燥から肌を護ることはできますが、乾燥した肌をみずみずしくすることは出来ません。
そんなヴァセリンの保湿力の秘密は、半固形状の油成分のヴァセリンを肌表面に塗ることで、皮膚表面にパラフィンの膜を張ることによりコーティングし、角質層の水分を外に逃さない様にするからです。
だからヴァセリンは水分を逃がさないで潤いを保つ保湿へと繋がっていくのですね!
ヴァセリンって何からできてる?安全性はどうなの?
保湿効果が高いといっても、どんな成分が入っているのか、肌に優しいのかなどが気になるところですよね。
それでは、ヴァセリンにはどんな成分が含まれているのかを解説していきます。
一般的に流通している、ヴァセリンスキンオイルAという商品の成分表示には
- ワセリン
- 酢酸トコフェロール
- BHT
と、表示されています。
1つ1つみていきましょう。
ワセリン
一般的にワセリンは白ワセリンを指すことが多く、この白ワセリンは、石油から得た炭化水素類の混合物を脱色して生成したモノになります。
石油から出来ていると聞くとカラダに悪いような印象もありますが、白ワセリンは高純度なので、医療用でもつかわれていたり、アメリカ合衆国では、切創や擦過傷、熱傷などでの治療と明記されているくらいなので安心してつかっていいものになります。
酢酸トコフェロール
トコフェロールとはビタミンEのことで、アルコールや油など脂溶性のモノによく溶けるという性質をもっています。
抗酸化作用があり、肌荒れの原因である過酸化脂質の発生を防いだり、肌荒れ防止効果があるとされています。
また、商品自体の酸化防止剤としてもよくつかわれています。
安全性に関しては、医療上汎用性や有効性も認められおり、10年以上の使用実績とアレルギー性もほとんど無しと認定されているため安心してつかっても大丈夫そうです。
BHT
BHTは、元々アメリカで食品の酸化防止剤として開発された成分で、熱や光などで、色・臭い・味などが変性するのを防ぐためにつくられたものです。
現在は食品につかわれることはなくなり、石鹸やシャンプーや薬用化粧品から歯磨き粉などに広くつかわれています。
50年以上の使用実績と、アレルギー反応や発がん性の健康被害の報告もないので、安心してつかうことができそうです。
ヴァセリンのおすすめ活用法
ヴァセリンのつかい方はアイデア1つで、色んな箇所に色んなつかい方が可能です。
1つで何役もこなすヴァセリンを、カラダの箇所ごとに活用法をご紹介していきます。
唇(リップケア)
無添加・低刺激だからこそできる唇メンテナンス。
リップパーム
リップクリームは手軽でクリーミーなのでつかい勝手はいいですが、色んな成分が含まれていることが多く、唇がヒリヒリしたり逆に荒れてしまうということも少なくありません。
それに引き換え添加物等が少なく低刺激なヴァセリンなら安心してリップケアが可能です。
リップパック
冬の乾燥した時期になるとどうしても唇がカサカサになってきます。プルプルの唇を好む男性も多いので潤いのある唇をつくっておきたいところです。
カサカサが気になりだしてきたら、ヴァセリンを唇にたっぷりと塗ってラップをのせて5分経ったらラップを外し、蒸しタオルで3分温めると、プルプルで血色のいいリップに早変わりです。
ツヤ感アップやグロス代わりに
様々なシチュエーションや気分によって、唇にツヤ感をだしたり、グロスを塗りたいこともあるかもしれません。
そんな時は口紅の上からヴァセリンを塗りましょう。
ベタつきや口紅の色も邪魔せずに、自然なツヤのリップ感を楽しむことが可能です。
手(ハンドケア)
ヴァセリンの王道ともいえるハンドケア。
ハンドケア
冬の乾燥時期や、水仕事が多くなってしまう時期はどうしても手荒れが目だってきます。
予防として水仕事の前に必ずヴァセリンを塗ったり、あかぎれや手荒れの治療薬としても有効です。
保湿だけでなく保水をしたい場合は、水分の含まれたハンドクリームや化粧水と混ぜて擦り込んでいくと効果的です。
ネイルケア
冬の乾燥時期はネイルやささくれにも深刻なダメージを与えてしまいます。
ハンドケアする際にいっしょに爪部分や甘皮部分にも一緒にヴァセリンを塗っていくことでネイルケアにも効果的です。
体(ボディケア)
ベタつきがあるので全身づかいには適してないので部分づかいでボディケア。
肘や膝
保湿や保水が上手くいってない場合、冬の乾燥時期以外の春先や秋口でも肘や膝が白くカサカサになっている場合があります。
そんな時は今おつかいのボディークリームなどを塗った上から、ヴァセリンを重ね塗りしていきましょう。
保湿・保水効果が倍増して、白いカサカサなどがでなくなったり、すべすべなお肌になりやすくなります。
かかと
ヴァセリンにはかたくなった部位を柔らかくする性質もあるので、乾燥などでかたくなったかかとにヴァセリンを塗って柔らかくした後に、ボディローションを塗っていくと、みるみる硬さがとれてかかとが柔らかくなっていきます。
シェービング後の肌
ワキやスネなどシェービングが必要な時もありますが、シェービング後は乾燥を招きやすくとてもデリケートな状態です。
擦過傷などの治療薬としてもつかわれているヴァセリンを薄く塗ってコーティングし、デリケートになったお肌をしっかりと護っていきましょう。
顔(スキンケア)
シワやたるみ、毛穴などのサポート的存在としてのスキンケア。
ほうれい線対策
シワやたるみの大きな原因の1つに肌の乾燥があり、乾燥することでほうれい線も目立ちやすくなってきます。
お風呂上りに一通りのスキンケアを負えたら最後の仕上げでほうれい線にヴァセリンをさっと塗ることによって、翌朝の肌のふっくら感や潤い感がアップするので、ほうれい線が目立ちにくくなるのでおすすめです。
毛穴の黒ずみケア
毛穴に詰まった古い角栓や汚れは、溜まれば溜まる程黒ずみが濃くなってきます。
通常の洗顔やスキンケアではすべてを取りきることはなかなか難しいのですが、洗顔と日頃のスキンケアをおこなった後に、鼻の毛穴の気になる部分にヴァセリンを塗って15分置くと、毛穴の皮脂とヴァセリンが同化していくので、頃合いを見計らってぬるま湯ですすいであげると、肌に優しく黒ずみ原因を取り除くことができます。
髪の毛(ヘアケア)
皮膚だけでなく毛髪にも効果的なヘアケア。
トリートメント
添加物たっぷりのトリートメントはモノによっては髪の毛にダメージを与えてしまいます。
でも髪の毛のパサつきは気になるところ。そんな時は髪が塗れている状態でヴァセリンをぬるま湯で溶いてから薄く馴染ませていきます。
保湿効果の高いヴァセリンは髪の保湿にもフィットします。
まつ毛
マスカラなどで乾燥しやすいまつ毛はケアの盲点になりやすい箇所ですが、ヴァセリンを指や綿棒につけで撫でる様にまつ毛に塗っていくだけで保湿ケアに効果的です。
ヴァセリンを塗ることで、外的刺激からも護ってくれるので健康なまつ毛が育ちやすく、まつ毛がはっきりしてくるという効果も期待できます。
ヴァセリンをつかう時の注意点
ここまでヴァセリンの効能やつかい方をご紹介してきました。
保湿性が高い上に用途も様々でおすすめなのですが、ヴァセリンをつかう時は注意しておかないといけないこともあるので、そちらもご紹介しておきます。
使用前にはパッチテスト
どんな商品でもそうですが、新しく何かを試す時はパッチテストが大切です。
ヴァセリンは無添加・低刺激でアレルギーも無いとされていて安全なのですが、念のためにパッチテストを行うことをおすすめします。
簡単にできるパッチテスト
パッチテストを行う際は二の腕の内側に少量のヴァセリンを塗って肌に異常が出ないか試してみてください。
特に肌が弱い方や、アトピー性皮膚炎をお持ちの方にはパッチテストをおすすめします。
少量を薄く塗る
ヴァセリンは基本的に油なので、塗り過ぎるとベタつきやテカリが目だってしまいます。
思った以上に少なめでも十分効果を発揮するので、少量を少しずつ塗っていくということをこころがけながら使う様にしてみてください。
また肌に塗る際は力加減に注意して、優しく包み込むように軽く押し当てるくらいの感じで塗っていきましょう。
強く抑えたりこする様に塗っていくと、肌細胞を傷つけてしまう恐れもあります。
清潔につかう
基本的にヴァセリンは腐敗や酸化が起こりにくいといわれていますが、汚れた手を容器の中にいれると雑菌がはいって、腐敗や酸化が進む可能性があります。
綿棒やスパチュラを活用したり、キレイに洗った手で取るようにするなど、清潔につかっていきましょう。
また、フタはしっかりと閉めて、高温多湿にならない様に保管しておきましょう。
ヴァセリンの都市伝説
ヴァセリンの注意点をネットで検索すると色んな記事がでてきますが、その中には勘違いをしている情報が都市伝説的に蔓延していることもあります。
ヴァセリンをつかう時の注意点の補足的にその様な情報もご紹介しておきます。
ヴァセリンを塗ると日焼けする
ヴァセリンがサンオイルの様な役割を果たして、塗っている箇所だけ黒くなってしまうという情報がありますが、これは勘違いで、ヴァセリンを塗ると逆に日焼けしにくくなるというデータもあります。
熱く塗れば塗る程紫外線がブロック出来るというデータがでているので、少なくともヴァセリンが日焼けを促進するということはまずないといえます。
ただ、そこまでの日焼け止め効果はないので、ヴァセリンを日焼け止め代わりにつかうことはしない様にしてください。
日焼けによる肌の乾燥が気になる場合などに、ヴァセリンを先に塗ってその上から日焼け止めを塗るのがおすすめです。
ニキビやオイリー肌を促進する
ニキビ肌やオイリー肌の人は皮脂量が多く、油分成分のヴァセリンを塗ると悪化してしまうという情報がありますが、オイリー肌な人は肌に水分が足りてなくて乾燥しているから過剰に皮脂を分泌していることもあるので、ヴァセリンを塗ることによってニキビを促進する原因とはいえません。
まれにヴァセリンを塗ってニキビが悪化した方もいらしゃり、その主な原因としては以下のことが多いとされています。
- ヴァセリンに含まれる不純物 どの商品にもあることですが、ヴァセリンにも微量に不純物が含まれていて、赤みや痒みなどの拒否反応を起こすことがあり、ニキビがでている様な時は余計にそれが強くなりやすいといわれています。
- アクネ菌の増殖を助長 赤ニキビの場合は、ニキビの原因であるアクネ菌が増殖し多い状態で、アクネ菌は油分を栄養源としているので、赤ニキビの状態の時はアクネ菌の増殖を助けてしまう可能性があるので、注意が必要です。
ヴァセリンの保湿実験
ヴァセリンはパラフィンの膜でコーティングするので保湿効果が高いとされているので、食品でいくとラップをした様な状態になりそうですね。
酸化スピードが早く色の変色が解りやすいリンゴの表面にヴァセリンを塗ったら酸化スピードを遅らせることが出来るのか。
そんな疑問が湧いたので、実際に実験してみることにしました。
実験概要
動画をご覧になる前に概要に目を通していただくと解りやすいので一読ください。
被験者
- スーパーのリンゴ(ジョナゴールド)
実験方法
- リンゴを半分に切って、切り口断面にヴァセリンを塗った箇所、保湿クリームを塗った箇所、何も塗らない箇所をつくって、1日放置して酸化具合を目視で検証
使用する保湿剤
- Vaseline 誕生から150年の歴史を持ち、世界各国で愛用されている保湿アイテム。
- オーガニック保湿クリーム 合成色素・合成香料・アルコール・シリコンが無添加処方の保湿クリーム。
リンゴとヴァセリンの酸化実験結果
残念ながら、ヴァセリンを塗ることによってリンゴの酸化を抑えることは出来ませんでした。
実はリンゴの断面にヴァセリンを塗っている時に、直観的に「酸化を抑えることは無理だろうなぁ… 」と思いながら塗っていました。
みずみずしいリンゴの断面に油を塗っているとそれだけで酸化しそうな感じがしてましたし、そもそも人の肌用につくられているのに、植物でしかも繊細なリンゴの断面に塗る様なモノではないなと感じたからです。
今回の思いつきは、建設的なモノにならなかったので反省していますが、今回の実験で確信を得たことは、ヴァセリンは植物や食品に使用するモノではなく、ヒトに使用するモノということでした!
ヴァセリンはヒトの肌や髪の保湿など、ヒト用につくられたものなので、ヒトにおつかいください(笑)
まとめ
「ヴァセリンのつかい方と効果が凄い!リンゴをつかった酸化実験結果は!?」いかがだったでしょうか。
リンゴをつかった酸化実験では、ヴァセリンの保湿効果をアピールすることは出来ませんでしたが、記事の内容を読んで、ヴァセリンの凄さを認識していただくことが出来たでしょうか?
ヴァセリンの凄いところはなんといっても、用途の広さです。
色んなところで色んな活躍をしてくれるので、1家に1個あっても損はしないモノです。
上手く活用してフィットすれば、美容の救世主にもなれる様なマルチ商品になるので、ぜひ1度試してみてくださいね。